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ティア-ズ・オブ・ザ・サン

今日ご紹介する戦争物2作目は「ティア-ズ・オブ・ザ・サン」
(やはり今回も観てない方はご遠慮ください)

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この作品は、
戦場に於ける慈しみを描いている素晴らしい作品ではあるものの、
大きな見落としがある作品です。

主人公らは、現地住民との触れ合いを経て、
任務を超えた、信念に目覚め、
人間らしい行動に邁進していきます。
そして、最終的には住民らを命がけで、守ってゆくことになります。

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しかし、ちゃちを入れるのは気が引けますが、
それでは結局は、戦争の側面しか描けてないことになるのです。

もしも本当に印象通りの状況ならば、彼らのしていることは間違いないのですが、
おそらく、このような善悪がはっきりとしている状況はありえません。

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だいたい、主人公の側だけ心優しい人間が兵士になっているわけはないし、
相手側にだって、良心の呵責に苦悩している者もいるはずである。
軍人は、おそろくどこも似たような人間であり、
主人公の側に残忍な人間がひとりもいないのもおかしな話なのです。

こういったように相手は残忍で悪と信じ、
自分たちは正しく大切なものを守るために必死に戦っている、お互いそう考えて、
必死に戦ってしまうのが、
「戦争」である…
と言ったら、わかりよいでしょうか?

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相手だって必死に戦っているはずである。

前に、ベン・ハー&グラディエーターの時に、
戦争をするのは優秀な人間、がんばることも時には否定すべき、
と言ったのは、こういうことと言えます。

つまるところ、このような優秀な作品にあまり持ち出したくないのですが、
わかり易く言うと、前にクソ映画として紹介したインデペンデンスデイと、
同じ要素を含んでいる、と言う事な訳です。

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前出の「シティ・オブ・ゴッド」も同様に、
戦争は良くも悪くも、人間の究極的な真実を映し出す事柄と言えます。
それをきちんと描くことは困難を極める、
いや、不可能とさえ言える。

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シティ・オブ・ゴッドは本来もてはやすべき人物を、
こき下ろしてしまっている過ちを犯してしまっているし、
ティア-ズ・オブ・ザ・サンは、主人公の側の正しさのみが、
強調されているがために、ややもすると戦争肯定にも繫がりかねない。
シティ・オブ・ゴッドの尺度で言えば、彼らは、ただ愚かな戦争屋という事になる。

どちらも間違っている。

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しかし、いづれも素晴らしい作品だからこそ、
このようなひとつふたつの指摘・批判をすれば、事足りる、
とも言えます。
殆どの作品は、この位ではとても追いつかないのですから。

ですから、そういった意味で、ティア-ズ・オブ・ザ・サンは、
根本的に優秀な作品なので、同様の要素を孕んでいるものの、
インデペンデンスデイとは、全く違うという事は言っておかなければなりません。

次回は、日本に突如現れた天才の作品。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2008-09-30 23:52 | その他の傑作

シティ・オブ・ゴッド

本当はいっぺんに2作品を紹介するつもりだったのですが、
長くなってしまったので、1つづつ紹介することにします。

今回、紹介するのは「シティ・オブ・ゴッド」
(例によってご覧になってない方は、見ないほうがいいかもしれません)
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この作品はドキュメンタリータッチで描かれているものの、
芯の部分は、作者の主張が色濃く反映されている、いわゆるフィクションです。

ドキュメンタリー的にも秀逸で、
なおかつ主張を反映した部分が、
ドラマチックに鮮やかに描かれているため、まさに神を思わせる完璧感がある。

しかし、その主張が問題である。

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この作品のキーパーソンになる主要人物は3人。
リトル・ゼ、2枚目マネ、そして話し手である主人公である。
この3人に関しては、作者の意向に沿ったフィクション的に描かれ、
その他の出来事に関しては、ドキュメンタリー的に描かれている作品と言えます。

この3人それぞれの役割を、
私の好きな映画「トロイ」に当てはめてみると、
リトル・ゼ=アキレス
2枚目マネ=ヘクトル
主人公=パリス

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といった事になるでしょう。
(もちろん、全く同じではないが)

まず、主人公=パリスの生き方は、
言ってみれば、人間として〝賢明〟な生き方である。
しかし、臆病者であることは否定できない。

次に2枚目マネ=ヘクトル。
彼らの生き方はいわゆる〝正義〟である。
しかし、作者は彼をある種、目の敵にしている。
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私は、単純にこのグループに属するので、
この描き方に憎しみすら覚える。

最後にリトル・ゼの描き方。
リトル・ゼは主人公とは対極に位置する〝豪胆〟なキャラクターである。
にもかかわらず、作中では否定的な主張は感じられないし、
他のキャラに比べてかくべつ悲惨な末路でもない。

作中彼は、殆ど中心人物と言え、彼なくして、作品がありえなくなっている。
しかし、こういう描き方では、
(主人公を除けば)人を殺せば殺すほど、最後まで生き残る…と言うことになってしまうでしょう。

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まして、同じ様な者の手によって、最後を迎える…となると、
そういった生き方を完全肯定する事になってしまう。

主人公の次にもてはやされたキャラと言える。

なぜ、こんな矛盾をはらむ事になってしまうのかと言うと、
作者(主人公)は、リトル・ゼを、否定も肯定もしないと言うよりも、
黙殺し文字通り〝傍観している〟からに他ならない。

だから、リトル・ゼを等身大で描けないでいるのだ。
主人公にとって、あまりに遠い存在で、
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関わりあいたくないのだ。

だが、力でこういう地位に付く人間はおそらくここまで残忍な人間ではないだろう。
ただ、実力でなく銃によって手に入れた地位なので、
アキレスより、遥かに卑劣な人間であることはいえると思う。

このように、あまりに力を避けているため、
2枚目マネを否定するという、曲がった考えになってしまうのだと思われる。

この作品は、賢明なやりようを描いてはいるが、
勇敢でない〝ヘタレ〟作品である。
しかし、1作品として才能にあふれ秀逸であり、そうい意味では素晴らしい作品でもある。
なにより矛盾を孕んでるとはいえ、平和を訴えている事は評価できる点だ。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2008-09-25 23:58 | その他の傑作

いさぎよい

私が、総理になる遥か以前から、応援してやまなかった
小泉純一郎氏が政界引退を明らかにした。

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ああ、最後までカッコいい人だ。
彼のいない日本政治は一体どうなってしまうのだろうか…
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2008-09-25 22:12

亡国のイージス

日本の総力を結集した感がある
(役者も一流どころがずらり)
「亡国のイージス」

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まず、この映画は厳密にアクション系とは、
言い難いかもしれませんが、どうかその辺はご容赦ください。

この作品は、近年まれに見る意欲作と言え、
こういう総合アクション系の大作としては、
〝漫画やドラマの映画化〟…と言う、安定路線に頼らない状況化で作った、
最近では初めての映画なのではないだろうか?
他は、いつもながらの情緒的(あるいは個性的)な映画ばかりである。

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もちろん、そういう映画も、一作品としては、悪くはないのだが、
今、日本がやるべきことはそれではない。

実は、この作品は日本アカデミー大賞を巡って、
あの「ALWAYS」と争った作品なのですが、
「三丁目の夕日」に関しては、どうしても許せない箇所があるので、
私ならば、こちらを選んだかもしれない。

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この作品のように、正統派大作を作ると、
当然、ハリウッド映画などと比べ、どうしても見劣りするので、
必然的に不満や批判の対象になるが、それから逃げていたら、
いつまでたっても日本の映画は向上しない。

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苦しくても、この方向で、
取り組んでいかなければならない。

特に、台頭目覚しい中国系映画に負けないで欲しいのだ。
もう追いつけないという人もいるかもしれないが、
幸運にも…というべきだろうか、
まだ、見栄えばかりで内容はともなっていない。

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十分、勝てるチャンスはある。

そのためには、
こういう作品を、ひとつひとつ作っていくことしかないのです。
目先の評価にとらわれて、
昔ながらの情緒作品を作っていては、それこそ未来はありません。
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実際、今作はそれなりのことは出来たと思う。
素晴らしい作品と言っていいのではないだろうか?
自信を持ってこの作品に続いて欲しい。

なぜなら、日本の映画は、
明るい。
この方向から逃げずに戦えば。

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ただ、異常に配役が素晴らしく、
重厚な演技者が勢ぞろいしていて、それに助けられてるところも大きい。
今後の課題と言えるだろう。

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最後に冒頭でも述べましたが、この作品はアクション映画とは言い難いですよね。
(ひとりだけ凄いのがいたけど…)
もちろん、そうでなければいけない訳ありませんが、
この作品に限らず、日本はどうしてもアクションが弱い…ということはあるのかな。
まあ、その辺はジャニーズの子らが気張ってくれるだろう。

次回は、戦争を扱っている屈指の作品2作。
ただ、大きな欠点のある2作を紹介し、戦争を描くのが、
いかに難しいかを語りたいと思う。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2008-09-14 00:50 | 日本の作品

総合アクション系

世界の総合アクション系映画。

まずは、キアヌ・リーブス、サンドラ・ブロックの出世作。
「スピード」
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その名のとおり、
全編通してのハイスピードスペクタクル。

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私的感想として、我らが小室哲也のテーマ曲が、
切れていると思う。
いい仕事した。いつもながら感服する。


次は、ブルース・ウィルスの出世作。
「ダイ・ハード」
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カッコイイのか、みすぼらしいのか
ちょっとコミカルな2.5枚目ヒーローが、
単身、タフなテロリスト撃退に挑む。

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この作品もパート4まで出ているが、
続編もなかなかにまとまってはいると思うが、
やっぱり1が飛びぬけている。


メル・ギブソンの出世作。
ダニー・グローバーの代表作。
「リーサルウェポン」
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はみ出し者のコンビ物。

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この作品は、まずタイトルがいい。
そしてなんと言っても、コンビの掛け合いが、
面白く小気味良い。
黒人と白人。若手とベテラン。
相性バツグンの二人が印象的な作品。


最後は、ジャン・レノ、ナタリー・ポートマンの出世作。
リュック・ベッソン監督「レオン」

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殺し屋と孤児の女の子のとの、
淡いラブストーリー。

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リュック・ベッソンらしく、
どちらかと言うとアクションではなく頭脳系かもね。

次回は、こういったハリウッド映画に、
邦画ながら真正面から挑む意欲作。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2008-09-10 21:00 | その他の傑作

g@me

日本が世界に誇る頭脳系映画「g@me」
この作品は、前出の世界の名作に堂々と立ち向かえます。

出だしからカッコイイ。
カッコイイ作品は、カッコだけで終わってしまうのも多いが、
この映画は違う。
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俳優もカッコイイ。見た目も内容もある作品だ。
藤木直人さんが出てる作品は、
(彼は良くも悪くもホントにいろんな役をやっている)

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私は結構観てる方だと思うけど、この作品が、一番ハマっているように感じた。

逆に、相手方の仲間由紀恵さんが疑問あり。
彼女はこういうわがままキャラは、似合わないと思う。
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さて、内容の方はと言うと、
全体的にハリウッド映画なんかに比べると、
さすがに見た目上、見劣りする感があるのは仕方のないこと。
(今現時点で日本の作品にそれを求めるのはちょっと酷です)

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前述のように、藤木直人さんは配役・キャラともに文句なし。
仲間さんは、合ってない以上に、
ああいう落ち着かないキャラだと、
何をしでかしてもおかしくないので、
ついつい裏を勘ぐってしまう。

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展開が展開なので、もっと落ち着いたキャラクターの方が、
インパクトが強かったのではないか?

そして、恋愛面でもその方が自然だ。
ああいうキャラの組み合わせだと、
ホントに好き合ってると感じられる瞬間がない。

思い切って、しっとりしたお嬢様キャラでもいいくらいだった。

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アレッ、てことは配役自体は彼女で、OKなんじゃない?
もったいないなー ○| ̄|_
ただ、タイトルからして、制作者の自信がみなぎっているから、
もっと深い恋愛を描こうしたのかもしれない。
欲をかいたのか。
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残念ながら、その点は上手くいっていない。

原作は、東野圭吾さんの「ゲームの名は誘拐」と言う作品だそうで、
そっち方は、その点どうなんだろう? 知る由もない。

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その辺りがもったいない作品ですが、
それでも私は〝日本至上最高の頭脳系映画〟に押します。

似たような展開でも、
「マッチスティックメン」「ユージュアルサスペクツ」
なんかより、よっぽどこっちが上でしょ。

次回は、総合アクション系の名作を順次紹介します。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2008-09-05 02:00 | 日本の作品

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