カテゴリ:隠れた名作( 16 )

 

ルーズヴェルトゲーム

今回ご紹介するのは、以前紹介した「空飛ぶタイヤ」
そして、最近流行った「半沢直樹」と同じ作者の
「ルーズヴェルトゲーム」

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倒産寸前の中小企業とその野球部がその存続を賭け、
野球部は、ゲームの勝敗や選手の確保に、
会社自体も、資金繰りやライバル会社と駆け引き、融資先銀行との交渉に奔走し、
その様子をだぶらせて描き、七転八倒しながら、逆転に次ぐ逆転、
共にしぶとく生き抜いていく様を描いた作品であります。

ご覧になった方は、その手に汗握る展開に、ハラハラどきどきすること請け合い。
まあ私個人は、あまりのジェットコースター的展開にちょっとひいてしまうのですが…
全9話という半端さも、この濃密な内容にとっては些事ですね。

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この野球部の監督は、ちょうど現在のプロ野球監督に欠けている物をすべて備えているように思うので、現時点で(将来的に渡ってではない)、理想的な監督像に映ります。
今こんな監督が、プロ野球チームの指揮を執れば、優勝間違いなし。

そしてそれ以上に、この監督のセリフは、いちいち心に突き刺さりました。
この辺の魂こもり過ぎ、あまりのクオリティの高さは、好きな人でないとわからないかもしれせん。作者は本当に野球が好きなんだなあ、と確信させる部分です。

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あと、この人物のパフォーマンス、及び、役者の演技が凄いです。
ただ逆に、あれだけ言われ放題言われておいて、株主会でのあの結果は、
若干、腑に落ちませんでした。

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また主人公の会社のように、あくまで技術力を裏付けとして、
生き残っていくのは、これからの時代難しくなってくると思います。

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対して、ライバル会社のやり方は、非常に理に叶っており、
とった手段がことごとく有効であったことは、ご覧になった方は分かると思います。
性格はともかくとして、この経営者は有能であると言わざるを得ません。

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繰り返しになりますが、私自身は、手放しで面白がれない所も多かったです。
特に必要以上にタイトル通りのどんでん返しのシーソーゲームに
固執し過ぎている嫌いがあり、そのせいで、話の流れがやや不自然になっています。
(訴訟問題が風化されていたり、さすがに野球部、都市対抗でたら銀行も社員も文句言わないだろうとか)
このように、空飛ぶタイヤと同様、突っ込む点も多い作品ではありますが、
難しいはずの題材で、ここまで見事に仕上がっているのは素晴らしいの一言。
設定自体もつくづく私好みの設定でしたわ。

ちなみに、今後の紹介作品はラストまで決まってますが、
もうひとつのブログ こちら
との歩調調整のため、しばらく更新しません。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2014-08-18 11:21 | 隠れた名作

WALL・E

今回は前回までと逆に、現場にあまり影響されない作品となります。
なにしろ、殆ど全編CGだ。

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「WALL・E」

以前「ショートサーキット」という名作を紹介しましたね。
その時、近日リメイクされるというお話をしました。
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個人的にいつかいつかと心待ちにしたのですが、そんな時、この作品登場がありました。
おおっこれかと思ったのですが、これはディズニー作品。どうやら違うようです(まだかなぁ)
それにしても主人公の風体が、ショートサーキットのジョニー5にそっくりですよね。

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中身は心温まるハートフルストーリー…ってか、ラブストーリー。
ショートサーキットと違って、主人公はイレギュラー的に感情を持つに至ったのではなく、
ロボットは基本的にこういう物としてるみたい。

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知っての通り、こういう風な擬人的・擬生物的な機械の描き方は、
私個人としてはNGなのですが、これは面白いから許す(←自分勝手)

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ところで、もちろん現場にあまり影響されないといっても、
声優的な仕事は残るわけですが、こういうと失礼かもしれないが、
声優はよっぽど不自然でない限りは一応、作品自体は成立はする。
それは大して経験もない芸能人が、やっていることでも証明されている。
この作品にしたって、草刈正雄さんですからね(まあうまくやってましたが)

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といっても、最近の声優は競争率が激しいので、実力だけは確かだが…
しかし、だからなのか、声優の世界が実力や努力だけでは、
どうにもならない世界だということを忘れてる気がする…

次回もこれと同系統の個性的な大作2つとなります。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2014-06-17 05:53 | 隠れた名作

空飛ぶタイヤ

今回は、シナリオのみならず、(撮影の)現場の満足度が
作品の完成度を非常に大きく左右した作品を紹介します。

「空飛ぶタイヤ」
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以前紹介した、私の好きな仲村トオルさん主演の
本格社会派ドラマです。

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もちろん他の俳優さんも素晴らしい方ばかりだが、
そのキラ星のごとくの役者たちを、敢えて脇に据えて、
あくまで、この人メインの作りにしているのは正解。

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現実的な内容のはずだが、実はところどころ、それはないよ、
という、おかしなところがちらほら出てくる作品ではあるのですが、
ややもするとそれが理由で、冷めてしまう所を

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演技者の熱演が良くカバーしている作品です。
仲村トオルさんの鬼気迫る演技による説得力がなかったら、
しらけてしまう可能性も多々あったはずだ。

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とはいえその原作にしろ、これ以上ない程、素晴らしい物でした。
題材が難し過ぎたのです。

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正統派なシリアスドラマでしたが、実の所、こういう正統派ドラマは意外に少なく、
そういう意味でも、非常に価値のある一作でした。

次回は、やはり現場が大きな力を発揮した2作品。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2014-06-01 00:02 | 隠れた名作

プリズンブレイク

お久しぶりです。
今日は予定通り、私の考える至上最高の米国ドラマを紹介します。

「プリズンブレイク」
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全体としては、これまで紹介してきた、名作「映画」に比べ、要所要所のクオリティが若干、劣るように感じるかも知れません。
しかし、それは仕方のないことです。

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以前から述べていることですが、1本数時間の映画に比べ、何話にも及ぶ長期戦のドラマは、どうしても密度が薄くなるのは当然です。
その点から見て、この作品はやはり、史上最高の「ドラマ」なのです。
1話1話の水準が「ドラマ」として最高なのです。

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全81話、実に7クール。よくもこれだけ長い間、このクオリティを保ち続けたものです。
感服します。

実際、ラスト以外、及第点であり続けたと言っていいでしょう。
これ程の作品は見たことありません。
特にその意味では、紛れもなく史上最高の海外ドラマです。

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そして、この作品の特徴と言えば「個性豊かな登場人物」にあるでしょう。
皆、誰しもが何がしか一物があり、ひとクセ者もふたクセもある者たちばかりです。

彼らの振る舞いにはそれぞれ理由があり、その生き様に反映されています。
各々が思うところがあり、信念があり、そして、弱さがあります。
この作品程、登場人物ひとりひとりが立っている作品は、他にないでしょう。

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ただ苦言を呈すと、この作品に限らず、これはすべての欧米系の作品に言えることなんですが、
力ずくの豪快なキャラクターが優遇される嫌いがある…ということ。

その象徴が主人公の兄。
私には、彼が優秀な人間だとは感じられない。
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勝利のために必要不可欠な能力も、特にないように見える。
欧米はこういったタイプの人間を評価する傾向があります。
ただ繰り返しますが、これはこの作品に限ったことではありません。

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彼と対極に位置するのが、後半に登場するアジア系の人物。
兄とは逆に、存在感とは裏腹にその貢献度は絶大である。

物語後半の要となる装置の開発者だが、もし、本当に彼がこれを開発したとしたら、
あれほどの愚かな人物ではないだろう。その描き方に疑問が残る。

理知的で繊細なキャラが過小評価され、力ずくで豪快なキャラが優遇される。
(日本は、これとは逆の傾向があるかもしれません)

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しかし、それは欧米の作品全体の傾向であり、
ここまで言ってきて、言うのもなんですが、
むしろ、この作品はそういう傾向の少ない、数少ない作品のひとつなのです。

そういう意味でも、この作品は素晴らしい作品な訳です。

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私的な見解を言わせて頂くと、最後のボス的存在が兄と近いキャラクターのように思うのですが、
そういった事実と彼の顛末は、この作品の数少ない欠点と、
その反省力を示していることのように思えます。

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ただ残念ながら、ファイナルを含むラストだけがしまらなかった。
一番残念がっているのは制作者達だろうが、最後にひとがんばりして欲しかった。
返す返すも残念でならない。

それにしても、漫画「海皇記」もそうだし、私が最高と思う作品は、どうしてラストがシまらないんだろう。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2011-08-11 02:05 | 隠れた名作

チーム・バチスタの栄光

さて、いよいよ私の考える日本史上最高のドラマを紹介します。
白鳥・グッチの黄金コンビでおなじみの

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「チーム・バチスタの栄光」

色々、反感もあるだろうが、私の考えではこれになります。

しかし、これまでの素晴らしい作品と異なるのは、この作品は決して安定した作品ではないという事。どういうことかというと、この作品は、一貫した尺度に乗っ取って製作されたとはいい難く、全体としていいところと悪いところがある。
要するに、以前紹介した「香港国際警察」のような危うさがあるのである。

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が、脚本→監督といったはっきりとした流れではなく、クオリティの高い原作がまずあり、脚本か監督の段階で、その原作をより良くしている人間と悪くしている人間がいる。
…という感じだ。

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全体としては、文句なく素晴らしい。
数多の作品のように原作に頼った作品ではなく、素晴らしい原作を、「現場」が最高の形で完成させた最高傑作である。

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ただ、悪いところもあり、特にcase33での主人公・田口公平のありようは頂けなかった。
…というか、ありえない。ここだけが、唯一の問題だ。一体、誰の責任だ?
せめてここを直せば、ホントに最高なのだが…
要するにそんな欠点を抱えつつ、なんとか漕ぎ着けた最高傑作な訳です。

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話は変わりますが、この間、第2弾として「ジェネラルルージュの凱旋」が、やりましたが、残念ながら、第1弾ほどの出来ではなかった。
知ってる人も多いと思うが、このシリーズ(チーム・バチスタの栄光、ジェネラル・ルージュの凱旋、ナイチンゲールの沈黙etc)は、
「映画版」と「ドラマ版」が存在する。

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チーム・バチスタはドラマ版が圧勝。
そして、ジェネラル・ルージュに関しては、映画版がかなりの出来であった。

チーム・バチスタがひどい出来だった映画版でさえ、素晴らしかったジェネラル・ルージュのドラマ版と聞いて、この最高のスタッフが作る、ジェネラル・ルージュの凱旋か、と実は相当期待したが、まあ、期待が大きすぎた。そうそう最高のものはできないだろう。しょうがない。
ジェネラル・ルージュに関しては映画版に軍配を上げざるを得ない。
短時間なのが功を奏し、インパクトがあったからね。
ドラマは長丁場の分、そこが間延びして、切れ味を欠いてしまうのは宿命といえた。

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だから「ナイチンゲールの沈黙」のように、3時間ぐらいのスペシャルドラマにしたらどうだっただろうとは思う。
そうしたら「映画」と条件的に殆ど同じくなる訳で、完全のガチンコ勝負になり、
そういう意味でも面白かったのではないかと思うんだが……
そうなれば、こちらが勝っただろう。さすがに見るべき所はあり、なかなかの作品ではあった。
特に医学的描写は素晴らしく、私はそこがよくわからない分野である事がマイナス要因だった。

話が逸れたが、そういったシリーズを築き上げた原作もさることながら、このドラマはドラマ自身が最高傑作として疑いの余地はない。

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俳優らも素晴らしい面子だったし、
特に、電車男で名演した伊藤淳史と、私が以前から目をつけていた仲村トオルは、文字通り最強タッグとなった。彼らの表現力は今作品には不可欠だった。

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つくづく、最後の完成度は現場次第なんだなァと感じました。
次々回は、同じように現場が完成度を決めた傑作を紹介します。

余談だが、私なら垣谷ではなく執刀医は鳴海に代わって
チームバチスタは完全復活。こんなラストにします。そのほうが盛り上がるでしょ?

最後に、最高傑作という割には、文句が多かったと思いますが、それだけ、この作品を評価し、愛してるということです。あとドラマや映画は、漫画などの原作よりも作品全体の質を上げたり落としたり、左右する要因が多分にある…
と言う事も関係しているでしょう。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2010-07-16 21:08 | 隠れた名作

告発

本日ご紹介する「告発」
(今回に限っては、意味が通じなくなってしまうので、観たあと厳守です)

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前に「ザ・ハリケーン」と「ショーシャンクの空に」を比較対照して紹介しましたが、
ショーシャンクと対極と言えるのは、こちらかもしれません。

じゃあ、なぜ、その時に紹介しなかったのかと言うと、
実は、この作品を観たのは比較的最近で、
つまりは他の2作品を紹介した頃には、まだ観てなかった訳なのである。

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ご覧になっていることを前提に話しますが、
わかり易く分類するとこういう事になりますね。

ショーシャンク→(塀の)中の人ががんばる。
ザ・ハリケーン→(塀の)中と外、両方がんばる。
告発→(塀の)外の人ががんばる。

しかし、これらの作品はこのように単純に分類分け
して扱うべき作品ではない事は、言うまでもありません。

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そういった愚行は、今回ご容赦いただくとして、
この作品は、ショーシャンクやザ・ハリケーンに比べて、
完成度に関しては劣る所があります。
というのは、最後に主張がぶれてしまっている感があるのです。

ショーシャンクに関しては、あまりに鮮やか過ぎる作り物であるし、
ザ・ハリケーンは、ハッピーエンドにまっしぐらです。
対して、この作品に関して最後、
何が言いたいのか分からない人もいるでしょう。

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でも、おそらく作ったスタッフ自身も、何が言いたいのか、
わからなくなっているふしがあります。
しかし、それは〝作っているのが人間だから〟と言えるのです。
好感すら覚える不完全さと言えます。
エンターテイメント的には褒められた事ではありませんが、
完璧な人間もいないし、完璧な作品も作れないのです。

作者に代わって説明すると、
この作品ははじめ「勝利」を目指していました。

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「勝利」を手に入れる過程が、この作品の見所なのです。

しかし「勝利」が、必ずしも「結果」に結びつかないと気付きます。
実際「結果」だけみると「死刑」になった方が、
はるかに楽だっただろう。

「勝利」と「結果」両方得られなかった理由は、いくつかありますが、
もちろん〝勝利を目指した当人である弁護士〝に責任はありません。

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では、なぜか? その理由のひとつは、
被告人が非協力的だったから、というのがあります。
だから「告発」の対象者は、
「ショーシャンク」や「ザ・ハリケーン」に比べて、
がんばらなかったと言えるのかもしれません。

だから、私の好きな「ザ・ハリケーン」のように、
中と外の人両方が、がんばらなければ、「目的」は達成できないんだ。
…というのは、ズルイですかね?

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しかし、誰が彼を責められるだろうか?
彼ががんばってない?
ふざけるな。

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それだけ、
監禁というものが、
虐待と言うものが、
冤罪と言うものが、
(今作は一応窃盗罪はしてるけど)
どれほど恐ろしいかと言うことである。
(ショーシャンクの主人公は化け物だ)

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しかし、それでも最後は「勝利」を死守したのです。

作り手が、完璧に作品を支配できなかった結果、
皮肉にも「無情な現実を感じさせる」ラストになったと言えます。
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最後にタイトルに関して、
これまで、私は「デスノート」「クリムゾンリバー」「ザ・ハリケーン」辺りで、
名前やタイトルに関して触れてきました。
この作品も「ザ・ハリケーン」と同じく、タイトルで損してる気がします。

「デスノート」の時に、名前はどうでもいいと言いましたが、
それは〝タイトル〟と〝登場人物の名前〝は、また違う、とご理解ください。
「ショーシャンクの空に」、クリムゾンリバーの時に触れたドラマ(映画)「相棒」なんかは、
内容とマッチしてる訳ではないが、適当な見栄えのするタイトルで成功していると言え、
「ザ・ハリケーン」「告発」は、意味を持たせすぎて、
画ずらの良くないタイトルで不成功だったと言えます。
まあ、今作のような内容ならばタイトルは「勝利」
でも良かった気がしますね。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2008-11-02 00:00 | 隠れた名作

トロイ

今日、ご紹介する名作は、
「トロイ」
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しかし、世間での評判は芳しくない。
だが、あえて言わせて貰おう。
この作品は、歴史物最高傑作である。
(今回も多少ネタバレ含みます。細心の注意をしますが、及ばない時はご了承ください)

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そして、私にとって、非常に感慨深い作品です。
…というのも、この作品の作者の性格は、
おそらく私とは、正反対だからです。

したがって、私はこんな作品は絶対に創らない、いや…創れない。

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この作品の主人公・アキレスは、
はっきり言って、男の中の男である。
(残虐なところもあるが、それも含めて男なのである。男はそういう業を背負っているものだ)

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この作者は徹底して男の尺度で生きてきた人間なのでしょう。
私は違う。
だから、この作品とアキレスには憧憬や畏敬の念があります。
(…といっても、私が勝ってる部分もあるし、それに誇りも持っていますがね)
そんなこんなで、1シーン除き、殆ど全ての出来事が、
私の尺度とは、ずれているのです。
全ての出来事が、私の描き方とは違う。
そしてだからこそ、非常に稀有で貴重な作品とも言えます。

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その例外的ワンシーンとは、ラブシーンです。
ただし私の場合、本当に斬り付けるが…
(これは「シービスケット」の時にも触れましたが、
やることやらずに分かり合う…というのが気に食わないんでしょうね)
ともかく全体で、全く違う尺度なのに、ラブシーンだけ同じように描くだろう、
というのは、面白いですね。

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この作品は男の尺度の作品なのですが、
逆に、男らしくないキャラクターに、慰めを表している点も特徴的と言えます。
その彼の体たらくに、相手の男が
「こんなヤツかいいのか」
といった意味の事を訴えますが、
私も心の中で同じ事を叫んでいました。
だが、その彼に対し、女は、

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「自分より強い相手に挑んだだけでも勇敢です」
と、言って慰めている。
言われてみれば、そうだ。
なるほど。人の所業の判断は、かくも深く困難なものなのだと、思い知らされる。

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しかも、この作者は彼に大金星を与えている。
(なぜ、そこまで肩を持つのか!? しかしそれもまた否定する事は出来ないのだ)
独特だが、興味深い尺度である。

さらに驚くべきことにこの作者は、〝アキレス腱〟や〝トロイの木馬〟など、
有名なエピソードを、敢えて〝軽く流している〟
私には考えられないことだ。
私なら、どんな痛快なエピソードにしようか、どうしても頭を悩ませてしまう所だ。
だが、そんなものは小手先なのだ!
おそらく、それが言いたいのだろう。

純粋な質の高さもさることながら、
私と反対の尺度から描かれているので、
その点も価値がある尊いライバルと言える史上屈指の作品である。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2008-08-20 21:29 | 隠れた名作

SAW

さあて、そろそろこれを紹介してもいいだろう。

前回のクリムゾン・リバーは、
これを紹介するための免疫作りでもありました。
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今世紀最高峰スリラー
「SAW」
(例によってパート1に限定)

しかしこの作品は、どギツイ表現がある猟奇殺人物です。
私ははっきり言ってこの手の物が苦手です。
同様の理由で、敬遠して観てない方にぜひお勧めしたい。

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観るのは無理?
ダメだ。辛抱して観ろ。
(逆に、何を言ってる、どこがどギツイんだ。
それに誰でも知ってる作品じゃないか! こんなものいちいち紹介するな
…と言う人ごめんなさい。世の中いろんな人がいるんですよ)

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この作品は、道徳的に私の考えにそぐってないし、
正しいとはいえない。
とても前に申し上げた希望や展望には程遠い作品である。

しかし、ここまでの事を考えられる者は、
多少道理を逸脱しても許される…というのは少々乱暴だろうか?

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あえて、苦言を呈せば、元刑事への疑惑が余計だ。
でなければ疑惑が本命に移る過程が欲しかった。

それと最後、これは脚本ではなく演技・演出の問題なのだが、
なんと一番大事なところで失敗しているのが残念すぎる。・゚・(ノД`)
なんで、テイク10でも100でもやり直さなかったのか!?
それが調べてみて納得、〝低予算〟 lll○| ̄|_ 

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ところで、この作品は続編もまあまあだ。
(ちなみにⅢのひき逃げ犯がいい演技してると思う)
ただ元々の欠点である理屈っぽい説教くささが増しているが。

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なんにせよ、これ程の知的な創作物には滅多にお目にかかれない。
その点ならば、あの名作「羊たちの沈黙」より上のはずだ。
一見の価値ありとは、こういうものを言うのだ。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2008-06-19 22:37 | 隠れた名作

ハケンの品格

今日は日本のドラマを紹介しよう。
その名も「ハケンの品格」
これから、日本のドラマ・邦画もちょくちょく紹介していくつもりです。
このドラマは、名前のとおり派遣社員を話題にした
ドラマだが、最高だと思います。

まあ、定職を持たない自分の
身贔屓があるかもしれないことは否定しない。

いずれにせよ、この屈指のドラマを
今回は演技者のタイプを交えてお話しよう。
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まずは篠原涼子さん。
彼女は昔、歌やバラエティーなど出ていたが、
演技の世界、取り分け、女優の水が合っていたことは言うまでもない。
彼女は能力で捻じ伏せるタイプではなく、
観察力に優れ、ひとつひとつの役柄において丁寧に勉強する姿勢が凄いタイプである。
まったく同タイプの女優さんに浅田美代子さんがいる。

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彼女が扮する大前春子は、
正義のスーパー派遣として、まあ大活躍をするわけなのだが、
結果として、多岐にわたる能力を表現するのに、
彼女の演技力がつつがなく発揮されている。

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しかしながら、実はこのドラマの最重要キャラは彼女ではない。
(無論重要キャラには違いはないが)

この作品の最重要人物は小泉孝太郎扮する
里中賢介である。

また、俳優にスポットを当てると、
彼は父親譲りの比較的、力で捻じ伏せるタイプの俳優で、
あらゆる役どころを見事に演じ分ける凄みを見せる反面、
演技に対して波があり、細かいミスが目立つタイプである。

この二人、実はいいコンビなのである。
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前者は、実は何気ない心情を表現するのが得意で、
後者は、破天荒なキャラも演じられるポテンシャルを持つ。
だから双方、そういうキャラで改めて組ませてみても面白いと思う。

さあ、この辺でドラマのほうに話を移します。
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先ほども言ったが、この作品の最重要人物は、
主人公ではなく里中主任である。

作中、最も常識離れしたキャラで、
彼の尺度が、周囲を振り回し、
ドラマの物語を意味あるものにしている。
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主人公・春子のパフォーマンスに目が行きがちだが、
彼女の派手な動きも、実は里中の心胆で決まってくる。

彼の人間性が、ドラマを成立させているのである。

素晴らしいドラマである。
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2008-06-04 22:26 | 隠れた名作

ザ・ハリケーン

あ~随分長いこと引っ張ってしまったね。
大変長らくお待たせしました!!!
例のショーシャンクと主張したい部分において、
対照的な作品として紹介するのは「ザ・ハリケーン」
(デーヴと同様、名前が良くない。センスは感じるけど…)

同じ監獄ものです。
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まず、この作品も主人公は優れた人物である。
しかし、この作品の場合、彼だけがそうなのではなく、
他にも素晴らしい人間が登場することで成り立っている。

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しかも、人間的弱さを見せながら、
決して凡庸ではなく、非常に尊い稀有な人間達である。
私が心を満たす作品はこういうものです。

ただこの作品はメジャーリーグでも触れた事なんですが、
吹き替えがあまり良くない感がある、個人的な好みなのかもしれないが…
だから、できれば字幕で観て欲しい。
(もっとも私が観たのと同じバージョンである保証はないですが)
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それとなんと看守が、ショーシャンクと同じ俳優である。
これは、偶然なのか?
しかも、そのキャラクターが正反対なのがまさに象徴的である。
彼もまた、主人公を支援する数少ない1人である(1人で法廷に顔を見せるほど)。

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助ける方も助けられる方も完璧じゃない。
挫けそうになったり、軽率で認識の甘さを思い知らされたり、
みんながそれぞれに活躍し、みんながそれぞれに苦悩し、
その辺の人間味が非常に良くわかる。
各々の立場の人間たちに普通に共感できるのだ。

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それが人間じゃないだろうか? それが世の中じゃないだろうか?
もちろん、創作物なのだから、表現は自由である。

しかし、作り物とは言え、
観てる人の尺度に影響を及ぼしかねない訳である。
だから、リアルさがないものは、あまり受け入れがたい。
はじめからそういう意図で作られているのならいいが、
写実的なフィクションやノンフィクションであるならば、
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世の中の〝希望や展望〟の縮図であるべきなのだ。
そうあって欲しいというのは
我がままなのでしょうか?

次回は、ちょっと忙しいのであいだがあくと思います<(__)>
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  by s_h_i_g_e_y_a_n | 2008-05-27 15:33 | 隠れた名作

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